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2017.09.13 取材レポート 

昭和生涯学習センター(愛知県)で名古屋市国際理解教育同好会主催のESD研修が行われました

見て触って考える、参加体験・学習スキル授業研究型のESD研修開催!

 

夏休みも終盤の8月25日。名古屋市の昭和生涯学習センターにて「名古屋市国際理解教育同好会」主催の研修会が開催されました。

 

名古屋市国際理解教育同好会は、名古屋市立小中学校に勤務し、国際理解教育に関心のある教員と学校関係者の方々の集まりで、年に7~8回、国際理解教育と外国語活動指導の研修会を行っています。今回の研修の参加者は15名。目白大学中山博夫先生は「多文化共生」、同大学石田好広先生からは「海ごみ」を題材に、参加体験・学習スキル授業研究型のESD研修プログラムが行われました。
☆中部地方ESD活動支援センタースタッフも参加し、取材を行いました。

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◆名古屋国際理解教育同好会 第3回研修会
日時:平成29年8月25日(金) 13:10~16:20
場所:昭和生涯学習センター (愛知県名古屋市昭和区)
講師:中山 博夫教授(目白大学人間学部児童教育学科)
石田 好広教授(同大学人間学部児童教育学科)
主催:名古屋国際理解教育同好会

 

<研修① 多文化共生プログラム~マレーシア ペナンからの転校生>
近年名古屋市内の小中学校にイスラム教を信仰する子どもの転入が増えており、両親などから「ヒジャーブを外さない」「ブタ肉を食べない」「断食をする」等の要望が学校に寄せられます。学校としてどのように対応したらよいか考える機会が増えています。小中学校の教員、そして児童生徒、保護者に、多様な国々の多様な文化の理解を進めるためのプログラムが実施されました。
今回の研修では、参加した教員と、まずマレーシアのイメージについて話し合い、マレーシアの経済や宗教、食文化などのクイズを行いました。その後、マレーシアから転入してきたイスラム教の女子児童の両親から様々な要望があった際どのように対応すべきか、具体例を交えての体験や考えを話し合い、それぞれの児童・生徒の立場や考えになりきり、ディスカッションを行いました。
その後小学校や老人ホームなどへ臨地研修を行った目白大学人間学部児童教育学科の学生の様子や、「笑顔と心でコミュニケーションをとり、全力で楽しんでくれた子どもたちを見て心からHappyな気持ちになりました。」などの感想が紹介されました。

さらに、アクティビティの一つである多文化共生ダイヤモンドランキングをグループ内で作成し、これまでの学習や体験学習を元に「多文化が共生する学校生活にするために何をすべきか」を考え、発表しました。
最後に中山先生から、「多文化共生社会に向けて、マイノリティーの存在や異見など異なるものを受け止め、認める学校教育が重要。地球の仲間が『みんなで生きる』ための教育が未来を拓く!」と研修を締めくくられました。

 

<研修② 海ごみを題材にした研修プログラム>
日本国内で回収される漂着ごみは約4.5万トン、回収されない漂着ごみも含めた推計の総量が31~58万トンといわれています。これらのごみは海岸に捨てられたものの他、街の中で捨てられたものが用水路や川を通じて流れ着いたもの、海流に乗って海外から漂着したものなどもあります。漂着ごみの問題は、海辺に住んでいる人だけではなく、世界中すべての人々の行動が原因となりえる問題なのです。その実態を児童生徒に伝え、起こしている問題や漂着ごみを減らすためには何が必要なのかを考えるプログラムを体験し、プログラムを作成しました。
研修ではまず初めに海岸の漂着物をカード化したものをグループ分けしたり、海ごみに関するクイズをしたりと、海ごみに関する基礎知識や問題点などについて実物を交えて学びました。その後、3グループに分かれて学んだことを元に、海ごみについての授業プログラムを作成しました。その際の重要点は、「課題の設定」「情報の収集」「情報の整理」「発信と行動」の流れでプランを練ることです。最後に、臨海学校の機会を積極的に活用した小学校のESDの事例を映像で見て研修は終了しました。

研修後「自分自身が知らなかったことを学ぶことができ、またそれについてグループで話し合うことによって更に知識や考えを深めることが出来た。それを行動化して自分の授業や学校で実践してみたい。子どもたちに広めていきたいと考えることが出来た。」などの感想が出席者から聞かれました。

今回の研修では、①対話型の事前学習、②対話・体験型の学習、③追加学習でより深く学ぶ、④自ら発信し、行動に繋げる、の4段階を重要とし、研修に参加された方々にとって、それを実際に体験しながら自校の授業プログラムや教育方針を考える、非常に良い機会となったようでした。

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