北陸・長野・新潟のESD実践者が集結!
北信越ユネスコスクール交流会2017in金沢が行われました。
「なぜESDをやるのか、ESDをやることの意味は何か」。
教員の研修会等に参加するとよく投げかけられる言葉です。今回の北信越ユネスコスクール交流会は、その疑問の答えが明確にされていくものでした。
「ESDは人づくり、本当の意味の教育がそこにはある。どんな大人に育てていくのか、どういう社会を作っていくのか、ESD視点に立った先生をもっと増やしていきたい」。
ESDに取り組む先生たちの熱い思いを感じた一日となりました。
◆北信越ユネスコスクール交流会2017in金沢
日時:平成29年8月6日(日) 13:30~16:30
会場:金沢勤労者プラザ
参加者:37名(長野、福井、富山、石川各県の小中学校、高校教員等)
主催:金沢大学国際基幹教育院
共催:環境省中部環境パートナーシップオフィス
後援:ユネスコスクール支援大学間ネットワーク、ESD活動支援センター、北陸ESD推進コンソーシアム、信州ESDコンソーシアム、公益社団法人大学コンソーシアム石川
「今年度より北信越地域として開催。新幹線が開通して北陸と長野は近くなりました。今後は新たな関係を深めあっていきたい」と、主催者である金沢大学の鈴木克徳氏から開催の挨拶、その後ESDユネスコスクールを巡る最新の動向報告、金沢星稜大学清水和久教授による国際NGOによる他国と日本の子どもたちのぬいぐるみ(テディベア)を通した交流などの学校での国際交流の紹介があり、様々な方法や色々な視点があることを学びました。
今回のモデル事例校である富山市立奥田北小学校からは、地域と連携して進めたESD授業の事例報告があり、「地域や保護者の学校への関心が高まり、アクティブラーニングによる主体的な学習が成立した」と意欲的に話されました。
その後、6つのスモールグループに分かれて討議が行われ、討議後の発表では、ESDは人づくりであること、本当の意味の教育を考えることである、という視点がどのグループの報告にもあり、熱い討議が展開されたことが感じられました。「語り合うことが学びである」という言葉が心に残った交流会でした。
スモールグループの討議「直面している最大の課題・困難を解決するための方法」
●Aグループ
ESDカレンダーをうまく活用することによって、全学年での情報の共有等学びの深まりを作ることができる。ESDをやる上で子どもたちが様々な体験を通して学び、実感できることが大切である。そして、子どもの主体性を育むことが重要である。語り合うことが学びであり、おくさず、コミュニケーションが取れる子どもを育てたい。
●Bグループ
ESDを取り組む時に、地域との連携のための打ち合わせの時間の確保が難しい。また、地域と学校との認識にギャップが出来てしまう場合などがあり、地域との適切な関係を保つことが必要である。継続するためにも地域の担い手の育成が必要である。ESD授業においては、地域におけるネタにいかに気付けるか、そしてそれをどう教材化していけるかが重要だが、それは教員の力に次第である。
●Cグループ
ESDにより地域とのつながりが出来、地域でいきいきと活動ができる。今後求められる能力とも連動できる。課題としては、活動のマンネリ化がある。その解消のために、どんな成長があるかをPDCAでチェックしたり、具体的評価基準を開発したりしていく必要がある。幼小中高をつなぐルーブリック評価が効果的。
●Dグループ
教員間の温度差をどう埋めていくか、ESDをどう盛り上げていくか。そのためには協働することや研修体制により教員全員を巻き込むことが必要である。子どものために何が必要かを考え、そのために今何を取り組むのか、本当の意味の教育を考えていく。
●Eグループ
ESDでは地域と連携することが大切である。また、ESDに対する教員の意識の格差をどう埋めていくか、ESD取り組みの持続可能な仕組みをどう作っていくかが重要である。ESDは人づくりであり、教科より教育が先にある。
●Fグループ
教員のESDの理解に差があるなど課題もあるが、これからを見据えESDをわかりやすく伝える、地域とのかかわりの中で持続可能な地域社会を目指すなどに取り組みたい。そのためにも実践の交流をやりたい。